個人的に面白いのは,唱歌「ふるさと」が英国の国歌「God Saves the Queen」を模倣したのではないかという話。なるほど,冒頭部はよく似ている。しかし,たとえそうだとしても面白いのは,奥中が言うように,「ふるさと」を聞いたときに我々が日本の風景を思い浮かべる点。まちがってもウエストミンスター寺院は思い浮かべない。つまり,明治以来の音楽教育によって,西洋のメロディーを聞いたら日本の景観を思い浮かべるように,我々の意識が変化したのだ。唱歌の中では,「蛍の光」や「埴生の宿」も原曲は海外の歌だし,「仰げば尊し」も元はアメリカの歌である。我々が漠然と思っているように,「日本的」なるものの歴史は古くないのだ。
日本における男声合唱史の研究
Study on male chorus history in Japan
主として明治期から1980年頃までの,日本の男声合唱について資料調査したことを中心にアップしていく予定です。いわば,私家版の「日本男声合唱史」を作る試みです。
タイトルは思い切り気張ってみました(笑)。
2024年4月15日から「無料プラン」の仕様が変わるため,構成を組み替えました。
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