2016.11.29 08:55河西秀哉 「うたごえの戦後史」 日本の合唱について論じる本はほとんどない。戸ノ下達也/横山琢哉共編「日本の合唱史」か長木誠司「戦後の音楽」第二章「合唱とうたごえ」ぐらいだと思う。長木はこの少なさの理由について,日本の戦後音楽史から排除されてきた合唱音楽と吹奏楽で,共に基本的にアマチュアのものであり,それゆえ創作様式の発展史としての戦後音楽史からは除外されてきたという主旨のことを述べている。同時に,社会的影響が大きすぎて持て余し...
2016.11.25 08:11合唱という言葉はいつ頃から使われたのか? 合唱が好きな人は,その理由は様々だろうけど,特に人の声が醸し出すハーモニーに惹かれている人が多いのではないか。私もその一人で,何かの集会での歌声を新聞やテレビが「二百人の大合唱」などと報道するたびに,むず痒い気持ちになる。ほとんどの場合はハーモニーのかけらもない,良く言って斉唱,ひどい場合は単なる音の渦である。「合唱て言うなよ」といたたまれなくなる。 もちろん,音楽的には...